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日誌

あかたさんと話す ~学びの森の教養講座、「性」について~

 

昨年度から学びの森で「性」とその背景にある人間関係について一緒に考える時間を持ってもらっている、あかたちかこさん。

 

 

あかたさんの講座、「あかたさんと話そう」の今年度の第2回目が先日行われました。

 

 

 

 

これまでのあかたさんの講座について紹介したブログは下記からどうぞ。

 

 

2018年度

「あかたさんがやってきた①」

「新しい立ち位置で関わる」

「あかたさんがやってきた②」

 

2019年度

「恋愛にまつわるエトセトラ」

 

 

 

 

今回は、前回参加したメンバーから出てきた様々なテーマの中で高校生たちが気になったものをいくつかとりあげ、それについて皆で考えることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回出されたこれだけのテーマの中から選ばれたのは、

 

 

・恋愛とは?/片思いは恋愛か?

・「好き」と「セックス」

・独占欲問題

・恋愛の上手/下手

 

 

の4つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は「恋愛とは?/片思いは恋愛か?」をとりあげました。

 

 

 

 

「そもそも『恋愛』ってどこからなんやろう?」

 

 

「自分が恋愛する時のプロセスを考えてみたら、”出会う”から始まって”なんか好き?気になる?”って思うようになって”いつも遊んでるグループにまぜる”のを試してみて、個別で”ごはんにさそう”を経て”うっかり手をつなぐ”こととかも起きて……って、これどこから『恋愛』?」

 

 

「『恋愛したい』とか『恋人ほしい』っていう人いっぱいいるけど、その人たちの言う『恋愛』と『恋人』ってどんなこと/存在を指してるんやろう?」

 

 

「恋愛の報告をめちゃくちゃ楽しそうにする友だちがいるんやけど、彼女の話を聞いてると、彼女にとっては『恋人』は記号的な相手でしかなくて、この報告こそが彼女にとって『恋愛』なんじゃないかと思うねん」

 

 

「友情から恋愛に変化していくことが多いの…?そういえば『男女の友情は成立しないのか』という問いってよく聞くけど…」

 

 

「その問い、昭和かよって思うわ~」

 

 

「友人と恋人の違いって何やろう…」

 

 

「友人はいっぱいいてもいいけど、恋人はひとりしか持たへんことが主流っていう違いがあるよな」

 

 

「恋人の方が取り換え不可な感じが永続的に続くイメージはあるかも?」

 

 

「取り換え不可…だからこそ独占欲問題が出てくるのかな」

 

 

「え、でも友人にも独占欲発揮するひともいるよな?」

 

 

「そもそも『恋愛』じゃなくても、一瞬の取り換え不可能性もあるんじゃないだろうか…」

 

 

 

 

いろんな「?」やそれに対する意見が出てきては、ああでもないこうでもない、ひょっとしたらこうかも?など、またまたいろんな「?」が出てきました。

 

 

 

 

私が中高生だった頃、友情や恋愛、そのどれにも当てはまらない関係性や恋愛の延長線上にあることの多いセックスについて、子ども同士でひそひそと話してみることはあっても、大人が、あるいは大人と子どもがオープンに語る場に立ち会った経験はありませんでした。

 

 

そして私だけでなく、ひょっとしたら多くの人がそうなのではないでしょうか。

 

 

だからこそ「恋愛」や「セックス」といったことに対して、なんとなく大人の前では触れてはいけないような気がしたり、正しい知識や大切なことを知らなかったり、メディアでの描写から受けたイメージを信じ過ぎたりしてしまうことが多いのではないかと思います。

 

 

 

 

青春時代に親しむ漫画やドラマでは、恋愛を「片思い」というスタートから「両思いになり付き合い始める」ゴールまでしか描かないことが多いので、そこからどんな悩みや苦しみ(もちろん楽しさも)が生まれるのか、それにどう向き合っていくのか、そもそも目の前の相手と「恋愛」という関係性でつながることを望むか望まないかを選べること、恋愛以外の関係性で結ばれてこそ得られるものもあることなんかも、実際に経験してみないと分からないし、想像もできません。(少なくとも私タナカはそうでした。)

 

 

そうして個人がそれぞれに経験したことから学んだ暗黙知によって、どうにかこうにか自分なりの考え方をつくっていったり、関係性を築いていったりすることが多いのではないでしょうか。

 

 

そうやって個人が経験した中から感じ、学び、考えたことこそが人を大きくし、人と関係していく時の思考や行動の拠りどころになるとは思うものの、「性」やそれを持つ人間の関係性のひとつとしての「恋愛」や「セックス」といったテーマについて、正しい知識を得た経験、オープンな場で大人と一緒に話せるテーマであると知る経験は、今後子どもたちが生きていく中で大きな意味を持つのではないかと思います。

 

 

あかたさんの講座では、この周辺のテーマについて大人と子どもが同じ場で本気で語り考えることで、「こんなことが起こるかもしれないんだな」「こんな風に悩み迷ってもいいんだ」「恋愛ってしてもしなくてもいいんだ」「『好き』にもいろんな『好き』があるんだ」「恋愛やセックスについて考えたり悩んだりすることは恥ずかしいことじゃないんだ」「大人になっても悩むんや」「正解ってひとつじゃないんや」といったことを感じてもらえたらと思っています。

 

 

 

 

 

この日も、先に挙げたような簡単に答えの出ないテーマについて皆でウンウン唸りながら考えました。

 

 

 

 

あかたさんは、私たちがこんな風にウンウン唸って考えたことを整理したり、さらに唸るような手強いテーマを提示したり、それを一緒に考えたり、守るべきことや大切にすべきことをちゃんと伝えたりしてくださる、水先案内人のような存在だと感じています。

 

 

そんなあかたさんとの講座も、次回が早くも今年度最終回。

 

 

次回は、人間関係の主体となる私たちが持つ「からだ」についてとりあげる予定だそうです。

 

 

 

 

ずっとこのからだを持つ「私」として生きてきたのに、知ってるようで案外知らない、自分たちの「からだ」。

 

 

あかたさんがどんな航路で案内してくださるのか、今から楽しみです。